空は金と朱色 互ひ違ひ

(タイトルは「映日紅の花」より。)

 

私の思春期のすべて、と言っても差し支えないほどに高校生の頃聴きまくっていた椎名林檎さんの音楽。

今でも曲を流すと心象風景に通っていた高校の校舎がそれはそれは鮮やかに浮かび、家事をする手が止まるほどです。

(どれくらい鮮やかかと言うと、吸い込んだ空気の埃っぽさまで思い出せるレベル。当時使っていたリップクリームの香味が口に蘇って来るレベル。)

 

私は物心というものが高校生の頃にようやくついたため(激遅)、初めて押寄せるありとあらゆる感情の波に幾度となく戸惑ったり取り乱したりしていましたが、そのほぼすべてを椎名林檎さんの音楽と共にしてきました。

そこから中二病が治るまでどえらい時間がかかってしまいましたが。手紙やブログなどで歌詞と同じような仮名遣いをしたり、伸ばしていた髪をボブに切ったり、高校の卒業式の後まっすぐ家に帰ってピアスを真似して同じ位置に開けたり、初めて自分で買ったエレキギターはサーフグリーンだったり。(全部黒歴史)

 

2015年あたりから、テレビCMなどにも数多くの楽曲が起用されるようになったり、リオオリンピックの閉会式の音楽監督を務められたり、ようやく時代が椎名林檎に追いついてきたなぁと感じ無関係なのに誇らしい気持ちでなぜかドヤ顔してしまいました。

(尤も、勝訴ストリップはダブルミリオンの売上枚数を誇っているので別にみんな大好き椎名林檎なんだけれど。)

 

最近の曲も勿論好きで、アルバムが出る度に聴きますが、思い出迷子の懐古厨なのでやっぱり昔のアルバムの方が好きです。

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(1stアルバム、無罪モラトリアムでは「正しい街」が好きで、自分にとっての正しい街はどこなのか永遠のテーマになっています。)

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(勝訴ストリップでは「月に負け犬」。)

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(加爾基 精液 栗ノ花では、迷いに迷っての「おだいじに」)

 

天才、という言葉で表現するとなんだかチープでペラペラに感じ却って馬鹿にしているんじゃないかとすら思ってしまうほどの才能。

何人もの女性アーティストが「椎名林檎の再来」みたいな形で売り出され、その貼られたラベルの強さに潰されてきてしまうほど、もう今後この世に現れてこない才能。

 

気が多く、次々に大好き!が変わっていく私の、たった一つブレない大好きなアーティストが椎名林檎さんです。(あとゆらゆら帝国。気が多い。)

 

アルバムを1枚1枚掘り下げて語りたいと思ってこの記事を書き始めましたが、以上の前置きだけで1000文字を超えてしまったのでこのあたりでやめます。